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インド新聞 コラム

ボリウッド・ムービー格闘日記

インド映画がない?!

このコラムを皆さまが読むころには、<ボリウッド・ベスト>の東京シネマート六本木の公開は終了し、観客動員ほか、興行結果が出ています。日々、日報と呼ばれる日々の観客動員数に一喜一憂する毎日から、しばし開放されます。

「勝てば官軍」。どんないい作品も、東京でのロードショー興行で出てくる評価が、その作品の行く末をほぼ決めてしまう傾向は、昨今に限ったことではありません。しかしこれだけ年間の公開本数が増え、娯楽が増え続ける生活環境では、とにかく情報のサイクルが早く、ご覧いただいた観客の<口コミ>効果が浸透する前に公開が終わってしまう、焦燥を日々感じています。さらには映画のタイトルはターゲット層にはそれなりに浸透したが、「いつやっているのか、わからなかった」と公開情報浸透不足の場合もあります。また、モーニングショー、レイトショーなど限られたタイムテーブルで公開されたため、主婦層から支持されなかったなど、現在の細分化されたターゲットと映画の興行システムには深い溝を感じてなりません。と、暗い話を書いてしまいました。

しかしながら、おかげさまで好評につき、横浜シネマ ジャック&ベティでの公開も決定しました。10月18日(土)から1週間です。

今回、横浜市の企画イベントでアジアン・ウェーブの後援事業にも選定していただき、ちょうど、ジャック&ベティの公開の終わりに、横浜インド映画祭もおこなわれる予定です。

先日、その件でお話をした折、担当者の方は「インド映画を上映したくても、映画がない。特に新作映画を借りることができない」とお困りでした。私も、映画のプロモーションに伴い、いろいろな媒体の方と接する中で、「今回の公開作だけでなく、ほかのインド映画の映像も流して、インド映画を盛り上げるプロモーションがしたい」、「地デジを見越した新しいチャンネルつくりを考えたい。日本で放映もしくは配信できるインド映画の映像はないのか」という、質問・要望をいくつか承りました。

映画づくり自体がこれからの開拓という国々なら、いざ知らず、年間1,000本近くの製作本数を誇るインド映画が、日本においては映画のみならず、映像コンテンツとして定着していない。正直、ここまでなにもないとは・・という気持ちでした。

皆さんはどう思われますか?

観客が求める新しい情報を入れていかないと、観客からそっぽを向かれてしまいますし、しかしながら未知の観客層を掘り起こすのはとても根気と勇気がいる作業です。またパンドラ1社ががんばればいいというものではなく、映画業界・映像業界を含む総合的にインドの文化をもっと広げていかなくては、1回きりのイベント上映になってしまいます。

新しい文化を広げるには文化系だけでなく、各分野・皆さんのようにインド・インド人とかかわりながらお仕事をしていらっしゃる方々のお力を借り、「インドのカルチャーって面白そう」という輪を少しでも広げていく必要があるのかもしれません。もしかしたら、インド映画を日本で配給することは、従来のただ外国映画を仕入れて配給することとは、まったく違う、新しい試みとしてアプローチしていかなければならないのではと思っています。

執筆者

みのわさゆり
映画配給会社パンドラ

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