日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』
  1. ニュース
  2. インドビジネスコラム
  3. インドリサーチ
  4. プレスリリース

インド新聞 コラム

ボリウッド・ムービー格闘日記

公開真近! 配給担当者としての願い

パンドラが、2007年から準備してきたインド映画企画上映<ボリウッド・ベスト>がいよいよ8月30日から公開します。2007-08年の前半は、契約および素材の件は遅々として進まず、ようやく動き始められたのは春からでした。

現在の日本の興行において、誰よりも力が強いのは劇場。今回は恵まれたことに、東京で上映してくれる映画館が早々と決まったことはとてもラッキーでした。通常ですと試写で見てもらってからの決定になるので、公開できたとしても、来年になっていたのではないかと思います。(公開先が決まらず、お蔵入りもしばしば)実際、夏の終わりの現時点で、人気のある(=お客さんが入っている)映画館だと来年の夏まで、上映作品のラインナップがあらかた決まっている場合もあります。

映画の公開までのざっとした流れを説明すると、
(1)権利取得→劇場営業→東京のメイン館のブッキング(どこの劇場でいつごろ公開か)
(2)メイン館ブッキングと並行して、作品の主な分析(ターゲット設定や宣伝コンセプトづくり)+P&A(上映素材費+宣伝費)+宣伝スケジュールの設定
(3)宣伝コンセプトおよび予算に従い、キービジュアルの作成→宣材(ポスターやチラシ、予告編など)の作成+タイアップ営業(早ければ早いほうがいいのですが)+地方劇場営業
(4)宣伝(マスコミ試写および媒体への売り込み)および前売鑑賞券の売り歩き
という感じです。


© 2001 DHARMA PRODUCTIONS

(1)に時間がかかり、スムーズにいかなければ、(2)~(4)にしわ寄せが来て、本当はお客様をもっと掘り起こしたいのに!といった消化不良を起こしがちです。結果、皆さんに十分にお知らせできないまま、「そんな映画やってたんだ~」となってしまうことは、担当者としては「今までの苦労はどこに?」という悲しすぎる結果になります。

どの作品もどんな状況でも、皆さんのお仕事も同じでしょうが、「ここまでやったから十分」がないのが、映画の宣伝であり、またやったからといって、それが観客動員に本当につながっているのか、それを明確にはできません。本当に理不尽な仕事です。事実、宣伝費をものすごくかけて、パブリシティーも出たのに、こけた作品は数え切れないほどあります。

今回の1番の悩みどころは、<インド映画およびインドエンターテインメント>に興味がある人々はどこにいるのか?>です。「ムトゥ」以来、インドエンターテインメントにはまった方や語学を通じてインド映画に目覚めた方、たくさんいらっしゃるのですが、専門情報が早く、十分に供給されている媒体がない。

映画公開のターゲットとして、コア層はいらっしゃいますが、そこから広げていかないと興行が成り立たない。。。

よって、今回はコア層にいらっしゃる方たちに、協力していただきつつ、少しでも、アジア好き、人とは違うエンタメに注目している方を巻き込もうと必死でした。紹介していただいては出掛けチラシを預かっていただき、前売り券を買っていただき、皆さんがもっていらっしゃる友達などのネットワークで広げていただく・・・。

特に今回、ネットワーク探索にアジア映画ならこの先生という、松岡環さんとムービーダンス(映画のミュージカルシーンの踊り)のみならずインド伝統舞踊を教えているコンテンポラリー・ナティヤム・カンパニーの野火杏子さん、そして身銭を切ってボリウッド情報のフリーペーパーを発行し続けている<ナマステ・ボリウッド>のすぎたカズトさんにはとてもお世話になりました。

日本の映画公開本数は世界でもトップクラスですが、欧米以外の洋画がコンスタントに公開されてはいません。インド自体はエンタメ大国でありながら、映画に関していうと、世界で一番遠い国です。日本でニーズがあるのか、どのようなきっかけで興味をもってもらえるか、どのように魅力を伝えていくとよいのか、公開してから見えてくると思っています。

映画を見れば、その国の文化がわかるといいます。インドを知るためにも、<ボリウッド・ベスト>をご覧ください。

30日からシネマート六本木で公開します。ぜひ見に来てくださいませ!

初日、6日、13日とイベントを行います。当日は劇場にいますので、劇場に来られたら、ぜひお声がけください。

執筆者

みのわさゆり
映画配給会社パンドラ

執筆者情報・コラム一覧