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JR九州、IT事業に本格参入 インド企業と合弁会社

今回は、2010年6月8日付け朝日新聞の記事から取り上げます。

JR九州は8日、インドのIT企業のパトニ・コンピューター・システムズと合弁会社を設立し、企業の経営管理や工場の生産システムなど、システムの外販に参入すると発表しました。顧客として九州の自動車や半導体メーカーなどを想定しています。開発はインドのパトニの拠点を活用するため、安価で短い納期が見込まれるとしています。

少子高齢化や高速道路料金値下げなどで鉄道事業の収入が伸び悩む中、JRは事業の多角化を加速しています。 JR九州の唐池社長は、「IT分野での成長の一歩を踏み出した。将来は数十億円規模の売上高を目指したい」と期待を示しました。

パトニは、インド第6位のITベンダーで、1995年に日本に進出しました。現在は28カ国に拠点を持ち、従業員は約1万4千人です。電化製品や産業用機械などの組み込みソフトの設計や開発に強みを持ち、日本では日立製作所などとの取引があります。2009年度の売上高は約600億円ですが、日本での売り上げはまだ5%にとどまっています。

パトニのクマールCEOは、「今回の提携で、生産管理システムなどの受注が拡大できる」とし、九州に多くの工場が集まっていることも、JR九州と提携を決めた理由としています。

今回のJR九州とインドIT企業という組み合わせは想定外のもので、興味深いものでした。

今回のことは、JR九州のような地方のIT系でない企業であっても、インドと組むことで、現状を大きく変えることができる、ということを示してくれました。このほかにも、鳥取県がインドとのコラボレーションで、IT産業の集積地になろうとするような動きもあります。

一方インド企業にとっては、日本企業との合弁で、日本企業がすでに持つ顧客基盤を利用できるというメリットがあります。日本で企業買収を考えているインド企業も、既存の顧客基盤を手に入れることで、時間を買うことができるからです。

このような試みは、日本のIT大手とのコラボレーションでは、過去のいきさつや、さまざまなしがらみがあってなかなか難しいのでしょうが、インドIT企業にはこのような日本でのしがらみがなく、自由な動きができる利点もあります。それで今回のような事業の再構築や新たな展開に、インド企業を活用するという方法は、今後もっと注目を浴びていくことになるでしょう。

また今回合弁にいたったのは、昨年10月に福岡で開催された「ものづくりフェア」で、JR九州システムソリューションズの役員とパトニ日本法人の営業部長が面談したのがきっかけだったようです。これまで、日本の展示会では、決定権者がいなくて商談成立の場になりにくい、というインド側の不満もありました。展示会がうまく機能したという点でも、今後のビジネスの広がりにとっていいことでした。

執筆者

土肥 克彦
有限会社アイジェイシー

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