- 土肥 克彦
- 有限会社アイジェイシー
インドの今を知る! インド新聞に見るビジネスのヒント!
日系家電メーカー、値下げ戦略が奏功:韓国勢を巻き返しへ
今回は5/13にインド新聞にのった記事を取り上げます。5月12日付のエコノミック・タイムズ紙によると、日系家電各社は韓国企業に対抗して製品の値下げに踏み切り、実績を上げているようです。
日系企業はインド市場の家電製品の主要部門で、価格の安さから、サムスンやLGなどの韓国勢に大きく後れをとっている状況が続いています。しかし日系企業にとってもインドは重要な市場であり、各メーカーは価格の見直しを進めています。ソニーは、09年と比較して平均20%価格を下げました。それでも韓国企業より若干割高ですが、この値下げにより、09年度第4四半期、同社の液晶テレビの販売実績は、過去最高となりました。ダイキンも、より安い部品を外注するなどしてエアコン新商品の価格を下げました。
パナソニックも昨年秋、32インチの液晶テレビを韓国ブランドより20%安い2万5千ルピーで販売しました。パナソニックは、給与所得が伸びている中間層向けに、価格を抑えた商品をそろえるとともに、約2億人いるとされる中間層向けの家電を研究する「ボリュームゾーンマーケティング研究所」を近くインドに設置し、ニーズをとらえた商品開発を強化していきます。
同社のインド市場での売上高は09年度で約400億円で、低価格の家電をそろえた韓国のLG(09年度2,400億円)、サムスン(同1,800億円)に水をあけられています。そのためパナソニックは今月14日、先行する韓国勢を追い上げようと従来目標を引き上げ、インドでの12年度の売上高目標を、現在の5倍となる、2,000億円に引き上げる方針を明らかにしています。
中国の台頭、韓国企業のグローバル戦略、そして日本の地位低下などが叫ばれて久しいのですが、ここにきて日本企業、特に日本の製造業のこれから進むべきターゲットがはっきりしてきました。
主戦場は新興国であり、そこで安く売っていくという戦略です。問題は安くする手段であり、単純に価格を見直すものから、生産や部品の調達を海外で行ったり、機能を絞ったり、品質も最高を求めないなどの手段をとっていくことになるでしょう。またインドで販売する製品も、これまで日本で売っているものの型落ちなどもありましたが、これからは現地のニーズにあった製品を現地で開発するような方向に進んでいます。今回の記事からは、日本勢も現地のニーズに合わせ、価格を下げていくことで売れることは確認されました。日本企業はいったん方針さえ定まれば速く、集中力がありますから、これからが楽しみです。
当面この戦略で新興国市場を攻め、将来は新興国も所得向上していくことから、より日本企業の得意な購買層のボリュームは増えていく方向にあり、将来はさらに明るいものとなるでしょう。パナソニックなど、新興国での日本企業の取り組みに今後も注目し、自社の戦略に反映させていくことが重要です。
- 第82回:印鉄鋼大手JSW、JFEと資本提携発表
- 第81回:インド燃料補助金改革の行方
- 第80回:低所得者層攻略にNGO活用
- 第79回:JR九州、IT事業に本格参入 インド企業と合弁会社
- 第78回:日本企業によるオフショアリング金額が2009年は減少 ― ガートナー
- 第77回:日系家電メーカー、値下げ戦略が奏功:韓国勢を巻き返しへ
- 第76回:「韓日中時代」の英語競争力
- 第75回:インドで攻める先行企業の勝算
- 第74回:かつての「友」今度は「敵」:印バルティ、ザインと事業買収合意
- 第73回:中国とインドに集中する「失われた女性」たち、その背景にあるもの
- 第72回:インドの“ケータイ銀行”Ekoの奮戦と苦闘
- 第71回:今年のモンスーン恵みの雨 インド、農作物収穫増見込む
- 第70回:インフォシスのリーダー育成戦略
- 第69回:タタ・モーターズ、新CEOはドイツ人 国際展開を加速
- 第68回:今やインドが研究開発の中心に
- 第67回:米国際送金大手ウエスト・ユニオンがインド農村部に進出
- 第66回:ヤクルト、インド3年目に:販売倍増ペース
- 第65回:偽造撲滅に立ち上がるインド自動車部品メーカー
- 第64回:アシックス、インドに進出 現地小売大手と代理店契約
- 第63回:小型車でインドに攻勢 トヨタ、新型を公開
- 第62回:フォルクスワーゲンとスズキが提携
- 第61回:インド経済、予想を超える高成長
- 第60回:インドで食品戦略探る:ジェトロが展示会視察
- 第59回:ファッション業界 日本ターゲット:繊維の業績回復、課題は品質
- 第58回:毛派系住民、列車を乗っ取る 乗客ら一時拘束
- 第57回:インドの「世界一安い車」、3件の発火事故
- 第56回:「肉なし」マック、インドで大攻勢 120店舗新規展開へ
- 第55回:スポーツの英連邦大会、インドの準備遅れ深刻
- 第54回:鳩山首相、インド首相と会談
- 第53回:「緑の革命」創始者死去:インドの自給自足に貢献
- 第52回:インド在留邦人、17%増の3,284人:企業数は810社
- 第51回:スズキ、インドでの開発拠点新設を発表
- 第50回:イッカクサイ最後で唯一の聖域、インド・アッサム
- 第49回:印中銀、インフレ懸念でリバースレポ金利3.25%で据え置き
- 第48回:クリントン米国務長官の初のインド訪問、原発の建設受注で前進
- 第47回:インド「禁酒州」のパーティーで密造酒、死者100人超
- 第46回:ホンダ、東南アジア生産車にインド製鋼板
- 第45回:中国移動、インド携帯2位と提携交渉
- 第44回:日本政府、「メコン・インド経済回廊」具体化を支援
- 第43回:ピジョン、インドに販売子会社設立
- 第42回:南アジア諸国をめぐって 中国の影響力拡大を警戒
- 第41回:フェアトレードにも不況の影 インドの関係者来日
- 第40回:インドにおける対日世論調査、肯定的なイメージが定着
- 第39回:インド:地方の携帯電話市場が目覚ましい成長
- 第38回:住金、インドに製鉄所 総投資額は2000-3000億円見通し
- 第37回:ミス・ユニバース、インド代表が決定
- 第36回:三菱電機、デリー近郊にFAセンター開設
- 第35回:カシミール武装勢力とインド軍の交戦、死者19人に
- 第34回:インド 自動車販売好調
- 第33回:製造業支援プログラム リーダー育成に“日本流”導入
- 第32回:インド舞台の『スラムドッグ$ミリオネア』 アカデミー賞
- 第31回:インド政府、スリランカ問題解決に手を差し伸べる
- 第30回:サニア・ミルザ、インド人女性初の四大大会制覇
- 第29回:バングラデシュに親インド政権 関係改善へ
- 第28回:インドのシン首相、心臓手術が無事終了
- 第27回:IT大手ウィプロ、世銀から4年間の受注禁止処分
- 第26回:インド、12月の新車販売13.9%減 3カ月連続マイナス
- 第25回:インドIT4位が粉飾 サティヤム、株式市場全面安に
- 第24回:インド同時テロ、関連団体指導者を軟禁 パキスタン政府
- 第23回:インドの乗用車販売、11月23.7%減 過去最大の落ち込み
- 第22回:インド、日本への繊維輸出を強化
- 第21回:グジャラート州、今後5年の成長率を発表
- 第20回:インド、カタールと防衛・安全保障協定調印へ
- 第19回:インドの映画会社、スタジオ・ジブリ11作品の権利獲得
- 第18回:マンモハン・シン首相、濃密な日程をこなし離日
- 第17回:サムスン電子、インドでR&D人材を補強
- 第16回:日印EPA、月内合意へ前進 自動車関税など詰め
- 第15回:インド宇宙開発機関、有人打ち上げ計画を表明
- 第14回:IBMにみるインド市場への取組
- 第13回:エアインディア機、エンジン損傷=成田
- 第12回:ユニクロ、インドでの出店調査と工場選定に着手
- 第11回:スポーツへの認識高まるインド
- 第10回:ムシャラフ後のパキスタンを注視するインド
- 第9回:日本もFTA推進へスピードアップを
- 第8回:携帯電話で存在感を示せるか
- 第7回:テロとつきあうインド人
- 第6回:大国インドの将来性
- 第5回:パナソニックは、インドで巻き返すことができるか
- 第4回:米印原子力協定発効へ前進
- 第3回:温暖化防止での日印協力の可能性
- 第2回:人材交流の成果
- 第1回:原油高は日本のチャンス
無料メルマガ登録
RSS購読
Twitter












