- 土肥 克彦
- 有限会社アイジェイシー
インドの今を知る! インド新聞に見るビジネスのヒント!
インドで攻める先行企業の勝算
今週は、日経BPの記事から、インド進出に関して参考になる記事がありましたので、そこから考えてみたいと思います。
日本メーカーが、インドで大型投資を続々と決めています。とりわけ目立つのが、現地で既に高いシェアを持つ先行企業です。
ブリヂストンは、プネ市郊外に500億円を投じてタイヤ工場を建設すると発表しました。 この大型投資のきっかけとなったのは、タイヤの輸入規制の強化でした。現地生産する企業が有利になるインド政府の規制は、先行するブリヂストンにとっては、ライバルに差をつける好機となりそうです。
次にインド進出から25年となる日立建機は、225億円を投じて、タタ・モーターズとの合弁会社の株式を取得し、子会社化すると発表しました。日立建機の大型投資には、インドの生産拠点を、アフリカ、中東など新興国向けの輸出拠点としても活用する狙いがあります。東南アジア諸国と比べて、インドは鉄鋼や機械など産業の裾野が広いため部品の現地調達率を高めやすく、建機を低コストで生産できるというメリットがあります。同社主力の低価格の油圧ショベルは、部品の現地調達率は100%で、製造原価は日本の半分程度ということです。
一方インドで5割近いシェアを持つスズキや、2輪車市場で5割のシェアを持つホンダも、大型投資を発表しています。 この両社が攻める背景には、後発組が参入しても、実際にインド市場を開拓するには時間がかかることがあり、他社を引き離す戦略に出たものです。
このように、インド市場には先行者メリットが多く、先行する各社は、インドでの優位性をさらに強固なものにしようとしています。
先行者メリットには、インドは広い国土に交通網が未整備な上、民族や言語が異なる多様性の国にあって、販売網を築くのは、大変な労力が必要なことが背景にあります。そのため後発組がそこまで販売網を築くのには、多大な時間がかかるのです。さらにインド人は、人脈やネットワークを大事にしますが、ブランドでも一度気に入ったものからは、なかなか離れない傾向もあります。そういうことで、インド進出はできるだけ早くすることが重要だと言われているのです。
そしてインドで新たな販売網を築こうとする場合は、それを現地で迅速に行うためには、優秀な現地企業と組むことが大変重要になってきます。インドは、企業も日本以上に多様性があり、まさにピンからキリまで玉石混交です。それで優秀な現地企業にめぐり合うことが重要なのですが、そのためには時間をかけて、できるだけ多くの候補企業を調べ、付き合ってみることが大事になります。そして、いろいろな質問を投げかけてみることで、相手の意欲や態度、そして能力を見極めるようにしてください。
このインド人のネットワーク力は、インドを基点にしてアフリカや中東などへの展開を行う際にも、役に立つものです。世界中には2,000万人を超える印僑がおり、特にこれから注目のエリアで、日本人にはなかなかネットワークのないアフリカにも多くいます。日立建機もそうですが、インド拠点はこのアフリカ攻略にも大きな力を発揮するでしょう。
このようにインドにはさまざまな大きな可能性があり、インドにかかわることでそうした可能性に気づき、広がることも多くあります。このような観点も考慮し、インド戦略を検討し、実行に移していただければと思います。
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