日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』
  1. ニュース
  2. インドビジネスコラム
  3. インドリサーチ
  4. プレスリリース

インド新聞 コラム

インドの今を知る! インド新聞に見るビジネスのヒント!

住金、インドに製鉄所 総投資額は2000-3000億円見通し

4月14日の日本経済新聞の報道によると、住友金属工業はインドで高炉からの一貫製鉄所を合弁で建設する方向で検討に入りました。現地企業と合弁会社を設立し、2015年をめどに稼働させる計画です。実現すれば、日本の鉄鋼大手がインドで高炉を建設するのは初めてになります。

住金のインド進出は、インドの中堅鉄鋼メーカー、ブーシャンと合弁会社を設立して実施されます。住金とブーシャンは、1997年から住金が技術協力や薄板供給を行ってきている関係にあります。建設地は東部の西ベンガル州で、今後事業化のための調査、インド当局との調整などを行っていくことにしています。ただこの報道を受けて住金は、まだ決定された事実はない、とのコメントを発表しています。

インドでは、新日鉄がインド民間で最大の製鉄メーカーであるタタ・スチールと協力関係にあり、日新製鋼はステンレスで合弁会社を設立しており、JFEもインドに事務所を新たに置くなど調査を進めています。

このほかインドの鉄鋼関連のニュースとして、4月15日世界最大の鉄鋼メーカーである欧州のアルセロール・ミッタルがインドで計画中の2工場について、最近の世界経済情勢を理由に2年先送りすることを明らかにしています。この会社は世界最大の鉄鋼メーカーで、インド人がオーナーです。このミッタル・スチールは、もともと現CEOのミッタル氏が個人経営のスクラップ工場から、世界の鉄鋼会社を次々と買収することによって今や世界最大の製鉄会社まで成長させたものです。その意味でグローバル化を進め、成長してきた会社です。

私は現在の会社の設立前、大手鉄鋼会社に勤務していました。その大手鉄鋼会社でインドにかかわる仕事をしていた私が言うのもなんですが、これまで日本の鉄鋼メーカーの海外戦略はもっとスピードアップできないものかと考えておりました。しかしここ数年やっとそのペースが上がってきたようです。最近新日鉄トップが、これからは外需シフトだと言ってたのを新聞で読みました。今後鉄鋼業界でも、グローバルに戦略が急速に進展していくのでしょう。

私はもう10年前になるのですが、インドの製鉄会社を見学したことがあります。その時は、技術的には突っ込みどころ満載なものでした。インドは90年代はじめの自由化前までは、国内産業の保護政策をとっていたことで、技術的にはかなり遅れたものになってしまっていたからです。最近では地球温暖化防止の観点からも、日本企業によるインド製鉄会社の省エネ診断などもなされています。このように日本企業のインドでの出番は、今後一層大きくなるでしょう。

現在、インドは自動車の需要の拡大やインフラ整備など、鉄鋼需要は拡大しています。聞いたところによると、私が鉄鋼会社に入社する前の日本の状況と同じく、インドにおける鉄鋼会社は給与水準が高く、優秀な学生が入ってきているようです。このような状況下で、インドの鉄鋼業界はこれからどんどんと伸びていくでしょう。その時日本の製鉄会社が、インドからいかに利益を上げていけるようになるかが、今後の課題となっていくでしょう。

執筆者

土肥 克彦
有限会社アイジェイシー

執筆者情報・コラム一覧