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サムスン電子、インドでR&D人材を補強

韓国サムスンが、インドのR&D拠点を増強するというニュースがありました。インド事業に関しては、韓国企業の戦略には日本企業が見習うべき点が多くありますので、このニュースを取り上げることにします。

まずインドで日本企業が存在感を示しているのは、スズキなど数社しかないというのが現状です。特にエレクトロニクス業界での存在感のなさは顕著です。今回はサムスンの記事をベースに、この点について考えてみたいと思います。

サムスンは、新興市場強化戦略を強力に進めています。中でもインドには特に力を入れており、バンガロールのR&Dセンターではこの1年で70%増の2,000人体制へと増強しています。サムスンはライバル社よりも早く現地にあった技術開発をするために、世界各地で優秀な人材の確保と、R&D投資の拡大を行っているのです。

この点で、東京大学ものづくり経営研究センター:吉川氏の指摘は参考になります。吉川氏は、日本企業が競争力を失ってしまったのは、グローバル化への対応に遅れてしまったのが原因だ、と指摘しています。そしてものづくりのグローバル化のためには、まさしくR&Dのグローバル化が求められていると言い、日本企業がここに気付いていないことが問題だ、と主張しています。経済産業省が、以前日本の主な企業に行った国際分業に関するアンケートによると、R&Dを海外に移している企業は1つもなかったそうです。

サムスンは韓国のほかに、日本、ヨーロッパ、アジアなど主要な市場ごとの拠点に本社機能を持たせており、各本社で、R&Dから設計・開発を含めて、現地の市場特性に合った製品を開発しているのです。地域の実情や嗜好にあわせた徹底的な作りこみが、サムスンの力の源泉です。

その国の文化、収入に合ったものが売れる、これが吉川氏の主張するグローバリゼーションであり、私も同感です。やはりその国の実情にあわせて製品をづくりり、売れる価格帯で勝負しないとダメです。インドにおいて、日本の電機メーカーの高級品路線が失敗だったことは。もうすでに結論が出ています。地域にあわせた低価格路線をとっているサムスンの利益率が日本メーカーを上回っているのですから、その方が結果的に利益も上がったわけです。

日本は製品開発力があり、品質も良いし、機能も豊富です。しかしながらこれからの市場である新興国市場で、実際に売れないといくら品質が良いと言ってもダメです。またインドでは、特に先にシェアをとってブランドを浸透させることが必要だ、と言われています。ここはぜひ戦略を見直し、新興国戦略を強力に進めていただきたいものです。

最後にさらにサムスンは、英国や米国など6カ国で運営しているデザイン研究所を、東欧やインド、パキスタン地域でも新設する方針だそうです。サムスンは、もうすでにインドの先のパキスタンにも目をつけているところがすごいところです。

吉川さんの主張の全文は、@ITモノづくり最前線レポートで見られます。

URL:http://monoist.atmarkit.co.jp/fpro/articles/forefront/05/forefront05a.html

執筆者

土肥 克彦
有限会社アイジェイシー

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