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社会階層分類(SEC)とは?

インド経済の発展につれ、IT関連業種など旧来のカースト制による職能集団に存在しなかった職種が現れた。また、市場を理解する上で新たな社会階層区分が必要となってきた。そこで、世帯の主収入貢献者の職業と、最終学歴によって定義されるSEC (Social Economic Class社会階層分類)が考え出された。

インドの人口は11億、国土は日本の9倍、主言語だけで22もあり、細かく分けると数千言語になるとも言われている。そのインドの市場を理解するための一つの手がかりとして、SECとはどのような階層区分であるのか解説したいと思う。

旧来のカーストという階級区分は、大まかに言うと職能による区分が元になっており、変化していくインド経済社会を理解する上では、逆に事を複雑にする原因となる。

そこでまず考えられたのが、年収による階級分けである。

  • Globals(年収100万ルピー以上)
  • Strivers(同50~100万ルピー)
  • Seekers(同20~50万ルピー)
  • Aspires(同9~20万ルピー)
  • Deprived(同9万ルピー未満)

この5つの区分におけるGlobalsは富裕層、StriversとSeekersは中間層とも呼ばれており、現在のインドの消費経済を支える原動力となっている。2005年時点ではミドルクラス以上の階層は人口の5%と推定されているが、2015年には21%に急拡大すると予測されている。

しかし、年収による分類だけでは、複雑な社会構造を反映することは困難である。そこで考え出された社会階層分類がSEC (Social Economic Class)である。Market Research Society of Indiaによって定義されたSECは、インドにおけるマーケティング等で一般的に使われる社会階層分類であり、世帯の主収入貢献者(main earner of household:日本で言う世帯主とほぼ同義)の職業と、最終学歴によって下図のように定義されている。基本的にはA1からE2までの8階層に分かれている。

Market Resarch Society of India(MRSI)によるSECの分類
  非識字者 識字者だが正式な教育は4年以下(小卒相当) 正式な教育を5-9年受けた(中卒相当) 高校卒 大学中退 一般の大学卒・大学院卒 専門的な大学卒・大学院卒
非熟練労働者 E2 E2 E1 D D D D
熟練労働者 E2 E1 D C C B2 B2
小規模個人商 E2 D D C C B2 B2
商店主 D D C B2 B1 A2 A2
商・工業経営者(従業員数)
従業員なし D C B2 B1 A2 A2 A1
従業員1-9人 C B2 B2 B1 A2 A1 A1
従業員10人以上 B1 B1 A2 A2 A1 A1 A1
自営業・専門業 D D D B2 B1 A2 A1
事務員・販売員 D D D C B2 B1 B1
スーパーバイザークラス D D C C B2 B1 A2
中間管理職 C C C B2 B1 A2 A2
上級管理職 B1 B1 B1 B1 A2 A1 A1

 

SECが広く普及した理由の一つに、主収入貢献者の学歴と職業だけで対象者を分類することが可能であるため、マーケティングリサーチにおいて調査対象を容易に絞り込める点があげられる。実際の調査においては、さらに詳細なスクリーニングを実施する場合が多いが、SECを用いることで年収のない学生や主婦の生活レベルなども容易に割り出すことができる。

一般的に日本企業が行う市場調査においては、B1クラス以上がリサーチの対象となることが多い。

世襲制のカーストとは異なり、状況次第でSEC変えることが可能で、世代ごとにSECが上昇する例も最近では多く見られる。実際問題としてD、Eクラスでは、教育の機会が得がたいなど階級を上げることは困難な状況だが、インドの今後を考えるとSECを上昇させていくことは不可能ではなくなっている。

SECの定義を念頭にライフスタイルレポート2009を読み解いていただければ、インドの今とこれからを見通すことが容易になるであろう。

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