日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

11/05/2013 04:00 PM


 政府が導入した新たな薬価制度により、主な医薬品の単価が軒並み下落する一方、企業の規模別シェアでは、対象となる医薬品を販売する大手企業の占める比率が高まっていることが分かった。背景には大手の医薬品が持つ強いブランド力や安定した財務基盤があるとみられる。

 政府は国民の健康維持に欠かせない「必須医薬品」348種類を対象とした新たな薬価基準を導入。これにより該当する医薬品の大半が従来の制度の時と比べて価格が安くなり、大手医薬品が反発する事態となっている。
348種類のうち291種類の値下げ率をみると、「5%未満」が9製品、「5%以上-10%未満」が20製品、「10%以上-15%未満」が30製品、「15%以上-20%未満」が27製品、「20%以上-35%未満」が94製品、「35%以上-50%未満」が74製品、「50%以上」が37製品となっている。この影響で国内の9月の医薬品売上高はそれまでと比べて縮小に転じたもようだ。

 ただ、全インド薬局・薬剤師協会(All India Organization of Chemists and Druggists)の統計によると、医薬品市場全体に占める大手の割合はこれまでよりも拡大。一方、これとは反対に中小メーカーのシェアはそれまでの30%から15-20%程度に落ち込んいる。

 同協会の幹部、ベンカト・ラジュ氏は「患者だけでなく医師の間でも大手が販売する知名度の高い医薬品の人気は高く、中小の製品との価格差が縮まったことで購入しやすい環境が生まれている」と大手の持つ「ブランド力」をシェア拡大の要因の1つとして挙げる。

 医薬品業界のアナリストによると、メーカー別では第一三共傘下のランバクシー・ラボラトリーズサン・ファーマシューティカルやドクター・レディーズ、ルピン、グレンマーク・ファーマシューティカルズなどがシェアを伸ばしているという。

 また、価格低下に伴う、卸売業者や小売店が受け取る利益の減少分の一部について、財務基盤の強い大手が補てんし流通各社に損失が出ないよう支援することで従来通りの販売網を維持していることも、高い市場占有率につながっているようだ。一方、財務力の弱い中小メーカーは、こうした補てんを実施するのは現状では困難な状況だ。

 こうした現状について、ヒマチャルプラデシュ州を拠点とする中堅製剤メーカー、ネクスト・ウェーブ・インディアのBR・シクリ社長は「中小のブランド力の無さと財務の弱さ差がこうした露呈した格好」と指摘。同氏はさらに、中国から輸入する原料の価格高騰も中小メーカーの経営の重荷になっているとの見方を示している。

10/30/2013


この記事へのトラックバックURL:

http://indonews.jp/mt/mt-tb.cgi/24481

トラックバック一覧(0)