日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

06/14/2013 10:13 AM



 記録的なルピー安による輸入コストの上昇で多くの商品が値上げされる公算が高まっている。ルピーはこの1カ月の間、対米ドルで7.5%も下落。このため景気が本格的な回復に至らない中にあって、家電製品やIT(情報技術)機器、自動車、高級食品など輸入の比率が高い品目の多くで小売価格が引き上げられる見通しとなっている。

 デスクトップパソコンやノートパソコン、タブレット(多機能携帯端末)を製造するメーカーは月末までに製品価格の値上げ実施を予定。値上げ幅は5-12%程度になるとみられる。 

 レノボのインド法人レノボ・インディアは5-8%の値上げを計画している。アマール・バブ社長は「徐々にルピーが下がるのであれば対処のしようもあるが、これほど急激なルピー安には価格を上げるほか方法がない」と語る。

 台湾エイサーのインド法人エイサー・インディアは「ルピー安に加えて事業コストも上がっている」(S・ラジェンドラン最高マーケティング責任者=CMO)ことを理由に、月内に約10%の値上げを実施する方針。HCLインフォシステムズも「ルピーはこの2年で30%も下落した」として、8%以上価格を引き上げることを計画している。

 家電業界ではパナソニックや韓国のサムスン、LGエレクトロニクスなどが「今後しばらく為替相場の動向を注視する」と述べる一方、2-5%程度の値上げに踏み切る可能性を示唆している。

 パナソニック・インディアでは「今後もルピーが反発しない場合、7月から価格を引き上げることになるだろう」と説明。LGエレクトロニクス・インディアの幹部は「さらに下落した場合はもちろん、現在の水準が続いた場合も値上げせざるを得ない」と話す。現実に値上げとなった場合、対象になるとみられるのが、液晶テレビやプラズマテレビ、冷蔵庫、洗濯機、インバーター式エアコンなど完成品や部品の多くを海外から輸入している製品だ。

 7カ月連続の前年割れと光明が見えてこない自動車業界も苦しい選択を迫られている。これまで大幅な値下げで需要喚起に務めてきたが、ルピー安の流れを受けてそれも難しくなってきている。トヨタのインド合弁会社トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)のサンディープ・シン最高執行責任者(COO)は「今後も通貨安が進行すれば、値上げを選択せざるを得ない」と表明。ただ、同社は値上げの是非の判断を月末まで行わない方針だ。理由としてシン氏は「自動車市場全体が低迷している現状では、通貨の動向だけでなく、他社の動きも同時に注視しなくてはならないため」と苦しい胸のうちをのぞかせている。

6/12/2013


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