日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

03/21/2013 11:10 PM

 近年の経済成長によりインドでは富裕層の拡大が続いている。

 米ビジネス誌「フォーブス」が今月発表した世界の富豪ランキングによると、インドには資産総額10億米ドル以上の富裕層が55人存在する。先進国との経済格差が縮まっていることを物語る数字だが、その一方で遅れが目立つのが、こうした豊かな層の慈善事業に対する関心の低さだ。

 米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーの調査によれば、11年にインドの富裕層が寄付金に充てた金額は平均で年間収入の3.1%。10年からは増えたものの、米国の平均9.1%の約3分の1の水準にとどまっている。

 英国の慈善団体「チャリティーズ・エイド・ファンデーション(CAF)」が毎年発表する各国の国民の慈善事業への取り組み状況を示す「世界寄付指数(World Giving Index)」によると、インドは2012年の調査で146カ国中133位となり、11年の91位から大きく順位を下げた。経済成長でインドに大きく遅れを取る隣国のパキスタン(85位)やバングラデシュ(109位)と比べてもはるかに低い位置にとどまり、インド社会に慈善事業が定着していない実態が浮き彫りとなった。 

 タタ・グループやアディティヤ・ビルラ・グループ、IT(情報技術)サービス大手のウィプロなど一部の大企業は基金を設立するなどしているが、広がりを見せていないのが現状だ。

 「インド一の富豪」とされるリライアンス・インダストリーズ(RIL)のムケシュ・アンバニ会長は欧米式の慈善活動について、「社会的弱者から自立心を奪い、さらに弱い立場に追い込んでいるに過ぎない」と批判している。

 また、このところの景気低迷もインドで寄付活動が停滞する一因となっている。

 ただ、明るい材料がないわけではない。ベインの昨年の調査によると、インドで慈善活動に参加した富裕層のうち3分の1を30歳以下の若年層が占めており、若い世代を中心に関心が高まっていることを印象付けた。

 ジャーナリストのアナンド・マハデバン氏は「インドでは財産を寄贈する形の慈善活動は米国などと比べて歴史が浅い。豊かになるにつれ、今後社会全体に広がっていくのではないか」との見通しを示している。

3/20/2013


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