日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

12/27/2012 09:18 PM

 タミルナド州に進出する日本企業が増えている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の統計によると、08年に77社だった進出企業の数は昨年、286社に増加。今年は10月時点で344社に達している。

 日本商工会議所の集計では、日系企業120社のタミルナド州への投資額は累計2,030億米ドルに上る。日本の持つ最新技術を提供しているほか、5万2,000人の雇用を創出するなど現地への貢献度も大きい。

 業種別では自動車が多い。下請けの部品メーカーにも進出を促すケースが多く、同州への投資額を押し上げる要因となっている。

 日産と商用車大手アショク・レイランドの合弁工場のほか、トヨタやヤマハ発動機も新たな生産拠点の設立を計画。ヤマハの新工場は2014年1月に稼働する見通し。いすゞ自動車はチェンナイにインド法人の本社を置く方針で、来月中に所在地を正式に決定する。

 ジェトロのチェンナイ事務所には日本企業から毎月300-400件の問い合わせが寄せられており、タミルナド州への進出熱は来年も続きそうだ。

 だが、問題がまったく無いわけではない。まず挙げられるのが劣悪な電力事情だ。ジェトロによると、昨年は少なくとも1日の勤務時間の半分を発電機に依存していたという。今も1日に3-4時間は発電機を使用しており、状況に大きな変化はみられない。 

 また、日系企業の工場とエノール港を結ぶ道路の整備事業計画は当初の予定より1年半も遅れており、東芝やトヨタ、日産ルノーなどの事業計画に影響が出ている。 

 さらに、マハバリプラム近郊に600エーカーの工業団地を含む総面積1,500エーカーの複合都市「オメガ・タウンシップ(通称ジャパニーズ・タウンシップ)」建設する事業も予定通りには進んでいない。環境への影響に関するアセスメントについて、中央政府から承認を得られたものの、州政府からいまだに認可が下りないためだ。

 初期投資の負担が大きい点もインドに進出するうえで難点の1つ。ほかの国では用地さえ取得できれば短期間で事業を始められるが、インドでは水道管を敷設したり電気を引いたりといった作業が必要となる。政府の承認も他国に比べて遅い。米国なら2-3日で完了するビザ(査証)の更新に数カ月を要することも珍しくない。 こうした要因が重なり、普通の国なら進出後2-3年で黒字化を見込めるが、インドでは5年かかる場合がある。

 それでも多くの日本企業が南部に殺到する理由について、ジェトロチェンナイ事務所の藤井真也所長は、「大規模な貿易港があり、東南アジアへの輸出拠点となる」「世界的大手企業も多く進出しており、受注獲得を期待できる」「優れた人材の確保が容易」「デリーやマハラシュトラ州ムンバイを2-3割下回る人件費の安さ」など を挙げる。
 
 同氏は「当初は現地向けの事業を展開するだけだったが、次に輸出拠点としての機能を担うようになり、今では研究開発(R&D)拠点を置く企業も増えている。日本企業はインドで進化を続けている」と語る。

12/25/2012 


この記事へのトラックバックURL:

http://indonews.jp/mt/mt-tb.cgi/22613

トラックバック一覧(0)