日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

12/24/2012 09:15 PM

 インド企業の間で、女性従業員の安全確保に向けた取り組みを進める動きが広がっている。

 16日にはニューデリーで、走行中のバスの中で女性が複数の男性客から性的暴行を受ける事件が発生。怒った市民が大規模な抗議のデモを行う事態に発展するなど、インドでは女性に対する暴力が大きな社会問題になっている。

 BPO(業務の一部外部委託)サービス大手のイージスは、10月に女性従業員を対象に講習会を開催。参加者はショッピングモール内や駐車場で危険から身を守る方法などについて学んだ。IT(情報技術)サービス大手HCLテクノロジーズは社内で護身用催涙スプレーの販売を始めたほか、法人向け事業部門がイージス同様、女性社員が護身術について学ぶ講習会の開催を提案している。スブラト・チャクラバルティ副社長は「当社だけでなく、多くのITサービス企業が女性社員の安全確保に向けた対策に取り組む必要性を強く認識している」と語る。 

 米半導体大手インテルのインド法人は、勤務時間中に自分の車での外出を控え、会社の車両で移動するよう指導している。また、午後7時半までに帰宅するよう女性社員に指示しているほか、安全に関して問題点が見つかるたびに会議を開催している。同社のある女性幹部は「インテルに勤めて8年になるが、安全に関して不安を感じたことはこれまで一度もない」と同社の取り組みを高く評価する。 

 ネット通販サイトのイェビ・ドット・コムでは、数カ月前に会社が運営するタクシーの車内で女性社員が運転手から侮辱的な扱いを受けたことを受け、運転手と女性従業員が2人だけになる状況をつくらないよう配慮を行っている。また、会社の駐車場で死角になる場所に車を止めることを防ぐため、女性従業員は駐車スペースを優先的に選択することを認められている。

 石油ガス大手のケアン・インディアは会社が保有するすべての車をリアルタイムで追跡できるシステムを導入。さらに、会社のタクシー内で女性従業員が運転手と2人だけになる場合には、会社にいる警備員の電話番号を手渡している。

 フィリップスでは女性社員に対し、1人ではなくグループで帰宅することを奨励している。また、無事に帰宅した社員は上司にショートメッセージ(SMS)を送信し、決まった時間までにメッセージが送られてこない場合、上司は従業員に電話をして無事かどうかを確認している。

 企業の垣根を越えた取り組みも生まれている。ウッタルプラデシュ州ノイダに拠点を置く複数のIT(情報技術)企業は、全国ソフトウエア・サービス企業協会(NASSCOM)の協力の下、新たな団体を結成。定期的に会合を開き、社員が使用する交通機関の問題点などについて話し合いを行っている。このほか、危険人物のリストを作成して定期的に更新、参加企業に通知しており、これまでにこうした人物を運転手として採用することを防ぐなどの効果を上げている。

12/21/2012 


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