日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

08/25/2011 07:39 AM

 ガートナー・ジャパン(東京都目黒区)のリサーチ部門は、日本企業のグローバル・ソーシング利用についての調査結果をまとめた。これによると、日本企業のうち年商1千億円以上の大企業における2011年のアプリケーション開発のオフショアリング利用率は19.1%で、10年に比べ3.9ポイント上昇した。

 同利用率は、製造および金融におけるITプロジェクトの凍結と、ベンダーの国内センターの稼働重視による影響を受けて、09年から10年にかけて大幅に落ち込んだが、11年初頭に再び上昇したとガートナーでは分析している。利用率が回復した主な理由としては、一部のITプロジェクトの再開に伴う技術者需要の増大、中国やインドなどのオフショア・ベンダーの技術力向上が挙げられる。

 ロケーション別には、中国の利用が全体の88%と最も高く、次いでインドが12%を占めている(複数選択可)。そのほか、ベトナムやフィリピンなどのロケーションを利用する企業もあるが、比率としてはそれぞれ6%以下にとどまっている。中国では、これまで人気の高かった大連、北京、上海に加え、西安、済南、天津などの新しいロケーションを利用する傾向が強まっている。これは、中国にオフショア・センターを構える各ベンダーが、物価や人件費の上昇、人材獲得競争の激化を敬遠して、内陸部に拠点を移しているためとガートナーでは分析している。

 2010年までは、日本企業のグローバル・ソーシングといえば、製造や証券、損保など一部の業種の企業が先行して利用する傾向があった。しかしガートナーの調査によると、これまで利用に慎重であった銀行、流通などの業種でも取り組みが強まっている。また、従来、委託方法も国産ベンダーを経由した間接的なものが主流だったが、オフショア・ベンダーとの直接取引を希望する日本企業が増えてきている。

 また、日本におけるグローバル・ソーシングは大企業での利用率が20%近いレベルに達しているとはいえ、金額ベースでは推計でアプリケーション開発/システム・インテグレーション(SI)市場の4%程度にとどまっている。また、特に新興国のベンダーに目を向けると、これまで日本独特の契約や慣習が阻害要因となり、日本市場への参入に成功しているベンダーはほとんどない。しかし、実際に日本国内でグローバル・ソーシングを利用している日本企業や、海外でインド系などのベンダーと取引している日系企業の間では、オフショア・ベンダーに対する評価は着実に高まっている。日本においてもグローバル・ソーシングは止められない流れになっており、今後さらに広がると予想される。

 ガートナーでは、こうした潮流を見据えて国産ベンダー、インドや中国などのオフショア・ベンダー、日本企業のそれぞれが、より高品質で効果のあるグローバル・ソーシングの実現を目指して人材育成に投資することを推奨している。さらに、日本企業のアジア進出に伴い、各ベンダーはシンガポール、マレーシア、フィリピンといった新しいロケーションも含めたグローバル・ソーシングの体制構築を検討すべきであると提言している。(11年8月24日、ガートナー・ジャパンのプレス・リリースから)

08/24/2011


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