日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

10/25/2010 07:19 PM

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は21日、「在アジア・オセアニア日系企業活動実態調査」2010年版を発表した。有効回答は3,486社(有効回答率47.6%)。インド進出日系企業の有効回答は203社(有効回答比率29.9%)。調査結果のポイントおよびインド進出日系企業動向は以下の通り。

(1)業績改善、特にインドでの来年見通し好調
 2010年の全体の営業利益前年比改善予想比率は58.8%に達し(09年は28.6%)、過去2年連続(08年、09年)の収益悪化から、力強い回復が予想されている。最大の理由は現地市場での売り上げ増加。11年が10年に比べ改善と予想する比率は54.9%。
 インド進出日系企業の営業利益の前年比改善予想比率は、10年は55.1%にとどまっているが、11年は71.2%と主要国中で最高となっている。10年の営業収支の黒字予想比率は52.5%、赤字予想が24.3%、収支均衡予想が23.3%だった。

(2)事業拡大志向企業62%、インドでは87%と高水準
 新興国を中心に収益回復に伴う事業拡大傾向が鮮明になっている。拡大を志向する企業比率は62%で、前年調査から10ポイント以上増加した。現状維持比率は35.3%。拡大の内容は「新規市場の開拓(営業/販売ネットワーク拡充)」が最多。
 インド進出日系企業では拡大志向比率が86.6%で、カンボジアの91.7%に次ぐ高水準だった。現状維持比率が12.4%、縮小比率、および第3国(地域)へ移転・撤退比率がそれぞれ0.5%だった。

(3)現地市場開拓に注力、インド現地優先度74%と断トツ
 今後の市場開拓の取り組みは、全体としては現地市場を(輸出よりも)優先する方向にあり、現地市場開拓優先との比率が45.4%、双方同じ優先度比率が28.6%となっている。ターゲットは現地日系企業から地場企業・地場外資系企業へ、消費者向けは低所得層・低価格帯を目指す傾向。
 インド進出日系企業に関しては、現地市場開拓優先比率が73.7%と断トツ。特に、化学・医薬品企業の現地市場優先比率は90%と非常に高水準。一方、現地市場開拓には関心なしとの比率は2%、輸出優先との比率は4%と低水準だった。現地市場と輸出優先度同等との比率は14.1%だった。
 インド進出日系企業の売上高に占める輸出比率は15%で最低、全体の37.6%を大幅に下回っている。また、輸出比率100%企業の割合は4.2%で韓国の3.8%に次ぐ低さ。逆に、輸出比率ゼロ企業の割合は61.8%で断トツ、全体の28.0%を大幅に上回っている。輸出先の内訳は日本41.4%、ASEAN8.1%、中国3.1%、米国8.5%、欧州9.6%、その他29.4%である。
 今後1-3年の輸出市場として最重要と考える国・地域としては、1位日本(26.4%)、2位中東(14.3%)、3位欧州(12.1%)、4位その他(12.1%)、5位タイ(8.8%)と続く。インドを最重要としたのはシンガポールとタイへの進出日系企業だった。
 一方、インド進出日系企業の原材料・部品調達先の内訳(製造業のみ)は、現地45.2%、日本31.1%、ASEAN14.8%、中国5.0%、その他3.9%。ちなみに、全体の現地調達比率は48.3%、日本からの調達比率は33.5%だった。

(4)賃金上昇が最大の経営問題点、インドでは電力不足なども
 前年比ベースアップ率は18カ国・地域中6カ国で2ケタを記録。従業員の賃金上昇は多くの国・地域で経営上の最大の問題点(回答率60.5%)に。また、競合相手の台頭(同54.4%)、調達コストの上昇(同52.7%)などの問題も深刻化している。
 インド進出日系企業の最大の問題点も賃金上昇(同64.5%)だった。今回のインドの賃上げ率は11.4%。問題点の2位は競合相手の台頭(同62.9%)、3位には電力不足・停電(同56.8%)が入っている。そのほか、物流インフラ未整備(同54.3%)、通関に時間を要する(同52.6%)なども大きな問題となっている。

(5)FTA/EPAの利用が拡大
 FTA/EPAを利用中との回答(アーリー・ハーベストの利用も含む)企業はASEANに多く、特にタイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアで利用企業数が多い。インド進出日系企業のFTA/EPA利用は、タイからの輸入18社(利用率38.3%)にとどまっている。(10年10月21日、ジェトロ発表から)

10/25/2010


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