日本語で読めるインドニュース 『インド新聞』

12/17/2009 02:43 AM

 ジェトロでは2009年9月-10月、北東アジア4カ国・地域、ASEAN7カ国、南西アジア4カ国、オセアニア2カ国の計17カ国・地域に進出する日系企業に対し、現地での活動実態に関するアンケート調査を実施した。有効回答は2,990社(回答率42.6%)。調査結果の要旨は以下のとおり。

(1)営業利益見通し
 09年の営業利益を「黒字」と回答した企業の割合は56.4%、「赤字」は23.7%となった(有効回答2,969社)。黒字企業の割合は08年(08年度調査結果、有効回答2,524社)の65.3%から低下したが、依然として高い水準となっている。

 在インド企業では黒字見通しが43.7%、均衡が22.4%、赤字見通しが33.9%となっている。インドは調査開始以来初めて、黒字企業の割合が50%を下回った。業種別で構成比の高い輸送用機器部品、商社、販売会社はいずれも、黒字企業の比率が大幅に低下した。

 インドやベトナムなどの新興国では、日系企業の進出年が05年以降に集中しているが、業績が安定しておらず、相対的に黒字企業の割合が低い傾向にある。また、インフレ、金融危機などの外的環境変化に業績が左右されやすい傾向にあるものと考えられる。

 調査対象17カ国・地域のうち、ミャンマーとインドを除く15カ国・地域で、09年の営業利益が08年よりも「悪化」すると回答した企業の割合が、「改善」すると回答した企業の割合を上回った。特にタイやシンガポールなどASEAN主要国で「悪化」の割合が高い。

 10年の見通しについては調査対象17カ国・地域すべてで、大幅な改善傾向が見られる。09年の落込み幅が大きいタイやシンガポール、マレーシアなどで大幅な改善が見込まれている。

 10年に営業利益が改善する理由では、「現地市場での売上増加」を挙げた企業の割合が68.0%となった。インド、韓国、タイでは約8割の企業が同項目を挙げた。他方、フィリピン、シンガポール、マレーシアでは「輸出拡大による売上増加」を見込む企業の割合が高い。

(2)景気後退の影響
 08年10月以降の世界的な景気後退の影響については、「マイナス面での影響がある」と回答した企業の割合が86.%%(「大きなマイナス」58%、「若干のマイナス」28.9%)となった。特に、香港、シンガポール、タイで、マイナスの影響を受けた企業の割合が高い。業種別では、医薬品、医療機器、食品・農水産加工品などの業種で「影響なし」と回答した企業の割合が高く、景気変動による影響が相対的に小さいことがうかがえる。インドでは、「大きなマイナス」45.1%、「若干のマイナス」33.1%、「影響なし」18.9%、「プラス」2.3%となっている。
売上が底を打った時期については、「09年1-3月」(35.4%)、「09年4-6月」(23.2%)との回答があわせて約6割にのぼり、09年上半期に底を脱した企業が多い。

 景気後退への対策(過去1年間,複数回答)では、「雇用調整」(45.6%)、「生産・販売効率改善によるコスト削減」(45.2%)、「新規投資/設備投資増の中止・延期」(41.9%)等による対応が相対的に高い割合を示した。「事業拠点の閉鎖・撤退」(4.9%)を挙げた企業は限定的だった。

雇用調整の具体的状況について、08年9月時点から1年間の従業員数の変化を見ると、現地従業員に関しては、正規・非正規を問わず、4割近い企業が「減少した」と回答した。今後1年の見通しでは、事業拡大傾向を反映し、正規・非正規とも「増加」と回答した企業の割合が「減少」を大きく上回った。

 日本人駐在員の増減では、今後1年の見通しにおいても「減少」が「増加」を上回り、地域全体で、労務コスト削減と経営の現地化に取り組んでいる状況がうかがえる。ただし、インドでは事業の拡大方針とあわせ、日本人駐在員も「増加」の傾向が見られた。

(3)今後の事業展開
 今後1-2年の事業展開の方向性について、アジア・オセアニア地域全体で51.3%の企業が「拡大」を志向。新興市場として注目されるバングラデシュ、インド、中国に加え、他国・地域に先んじて内需・輸出が回復している韓国で、いずれも6割を超える企業が「拡大」と回答した。インドでは拡大意向が74.9%(前年度は81.5%)、現状維持が24.6%だった。拡大意向比率は、バングラデシュでの79.2%に次いで高い比率。

 金融危機の余波を受けて、「事業拡大」と回答した企業の割合は、前年度より減少したものの、減少幅は5.9ポイントに留まった。韓国、中国、台湾では、「拡大」と回答した企業の割合は減少せず堅調に推移している。
事業の拡大傾向が強く表れた中国およびインドでは、旺盛な内需への期待感を反映し、販売会社や商社などの業種で「拡大」の割合が高い。また、モータリゼーションの高まりと自動車メーカー各社の現地調達率拡大を受け、輸送用機器部品でも拡大傾向が強く表れた。

 事業拡大の方針を国・地域別に見ると、中国では「新規市場の開拓(営業/販売ネットワーク拡充)」と「設計・研究開発/企画機能の強化」の割合が相対的に高く、ASEAN・インドでは「追加投資による既存の事業規模拡大」の割合が高い。

(4)新型インフルエンザ対策
 新型インフルエンザの流行を受け、対応に困った事項としては、具体的な項目を挙げた企業の割合が57.0%、「特になし」と回答した企業が43.0%となった。新型インフルエンザが強毒化した場合の対応(計画)としては、駐在員の「帰国/退避」を検討している企業の割合が34.9%、「現地に残留」が24.2%、「不明」が36.5%となった。(09年12月15日、ジェトロ発表から)

12/16/2009


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