74億ドル(約7,962億円)規模のイラン‐パキスタン‐インド間(IPI)ガスパイプライン交渉決着は8月の期限に間に合わない可能性出てきたことがわかった。イラン政府は交渉をとりまとめる3カ国協議を開催できないでいる。
インド石油省上層部によれば、懸案となっている事項を解決し協定署名への道を開くため、イランに3カ国閣僚協議を開催するよう、先月の6月に要求するも、日取りを伝えてこない状態であるという。
ムルリ・デオラ石油相は6月にイランに親書を送ったのに続いてマドリードでイラン石油相のゴラムホセイン・ノザリ氏と会談。早期に協議を開くよう求めた。両者は8月に交渉を決着させることで合意していた。だが、イラン政府はこれまでのところ日程を伝えてきていないという。
当局筋によれば、インドは、協定に合意する前に、イランが求めている価格改定条項を解決することを望んでいる。イランとパキスタンはガス売買協定の交渉に着手しており、価格見直しの仕組みについて合意しているが、インドは既に一度決着した価格を再度取り上げるのには反対の立場をとっている。
過去、通過料が原因でインドはIPIパイプライン協議への参加を1年近くも拒否した経緯がある。
インドはパキスタンに同国国内のパイプライン通過料として年あたり2億ドル(約215億円)を支払うことでおおまかに合意している。百万英熱単位あたり0.60ドル(約64.56円)に相当する。
当局筋によると、ガス受け渡し地点、つまりガスの管理権がインドに移る地点についても3カ国協議で論じられる予定である。インドはガス受け渡し地点をイン
ド・パキスタン国境にすることを求めている。一方、イランはパキスタン国内の輸送リスクを負うのを避けるためイラン・パキスタン国境にすることを主張している。イランの立場を受け入れた場合、パキスタンを輸送中のガス所有権問題に対処、解決する必要が生じる。
インドは2007年8月以降、パキスタンが同国内を輸送されるガスに対して要求する通過料を巡り、IPIパイプライン協議への参加を拒否していた。しかし2008年4月にイスラマバードで両国の石油相が会談し、打開の道が開けた。
当局筋によると、インドは国営のガイル・インディアのプロジェクトへの参加を求めている。また、イランがIPIパイプラインに南パルス・ガス田のような特
定のガス田を提供し、その埋蔵量を第3者に証明させることのほか、埋蔵量枯渇の際のガスの代替供給源についても情報を求めている。
IPIパイプラインは当初、インドに日量9,000万立方メートル、パキスタンに日量6,000万立方メートル供給する構想であった。その後、パキスタンの埋蔵ガスが枯渇しつつあることから必要の度合いが大きいとしてインド、パキスタンともに日量3,000万立方メートルで合意している。パイプラインの通
過ルートについては、パキスタンを通過する最短距離は750kmだが、パキスタンは286km長くなる南部を巡るルートを望んでいる。距離が伸びればコストと通過料は増大する。
インドの現在のガス供給量は輸入液化天然ガスを含めて日量9,100万立方メートルで、潜在需要の日量1億7,000万立方メートルを下回っている。仮に経済が予測どおりに毎年7%から8%で成長し続けた場合、2025年のガス需要は4倍増の日量4億立方メートルに達する。
07/24/2008 5:58:00 PM(ニューデリー発)
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