電子的決済が普及する一方で、インドで行われる取引の大部分は依然として現金が占めている。エコノミックタイムズによると、現金紙幣および硬貨の形で一般国民が保有する通貨は、今年に入って急増したという。
これには、農業部門の業績が伸び、インド農村部の購買力が高まっていることが多少影響している可能性がある。また、会計年度の早い時期に実施されたカルナータカ州の選挙期間中に、現金に対する季節外れの需要があったことも影響しているかもしれない。
インド準備銀行(RBI)が発表した週間統計報告(WSS)の数字によると、一般国民が保有する通貨の今年4月以降の増加量は、前年同期の1,528億7,000万ルピー(約3,871億円)に対し、3,319億9,000万ルピー(約8,408億円)となった。
過去何年にもわたり、市中銀行の預金も含むマネーサプライ(通貨供給量)の現金部分は減少している。マネーサプライ合計における現金通貨の割合は、1970年代の30%超から、現在はほぼ15%未満まで減少した。これは主に、金融システムを通じた取引や決済への移行が影響している。インド政府と
RBIも、より一層のシステム化を推し進めてきた。
しかし、RBIの分析によると、最近では、農業部門の業績が現金需要を押し上げる傾向があることが示されている。また、往々にして祝祭のような季節要素により、現金需要は増加する。選挙前というだけでも、一般に流通する現金は増加する傾向がある。
最近の現金の増加は、農業部門が好調だったために農村部経済の需要が伸びたことが一部原因かもしれないが、数字をもっと詳細に見ていくと、4月終わりと5
月初めのそれぞれ2週間には一般国民が保有する通貨が急激に増加し、その間に現金はそれぞれ約570億ルピー(約1,449億円)、1,110億ル
ピー(約2,823億円)増加したことがわかる。前年同期の現金の伸びははるかに小さかった。一方、その次の2週間の伸びは先細りとなっている。
同期間はカルナータカ州の選挙とも重なっている。同州では5月初めに選挙が実施された。選挙戦はずっと前に始まることが多く、その資金はやはり主に現金で用意される。その次の期間に需要が先細りしたのは、RBIがとったマネーサプライの引き締めの影響も一部あるだろう。
07/28/2008(ムンバイ発)
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